赤羽橋駅4分 麻布十番駅6分 曽根田歯科診療室 麻布十番・赤羽橋

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──トライインペーストで確認してからセットする理由
「セラミック治療を受けたのに、周囲の歯と微妙に色が合わない気がする」
このような違和感は、実はセラミックそのものではなく、レジンセメントの色が原因となっていることがあります。
当院では、審美性を重視した治療において
トライインペーストを使用し、色を確認してから最終的な接着を行っています。
本記事では、なぜそこまでレジンセメントの色にこだわるのか、その理由を詳しくご説明します。
レジンセメントとは、セラミックやジルコニアなどの補綴物を歯に接着するための材料です。
単なる接着剤と思われがちですが、審美歯科治療では最終的な色調を左右する重要な要素です。
特に以下のような治療では、レジンセメントの影響が大きくなります。
ラミネートベニア
前歯部のセラミッククラウン
薄いセラミック修復
変色歯・失活歯の審美修復
セラミックは光を透過する性質があるため、
「歯の色」「セラミックの色」「レジンセメントの色」
この3つが重なって、最終的な見た目が決まります。
どれほど精密で美しいセラミックを作製しても、
セメントが明るすぎる
わずかに色味がずれている
下地の色を十分にマスキングできていない
といった場合、仕上がりに違和感が生じます。
つまり、
審美歯科治療は「被せ物を入れた時点」で完成するのではなく、
「どのセメントで、どう接着するか」まで含めて完成するのです。
トライインペーストとは、
実際に使用するレジンセメントとほぼ同じ色調を再現できる試適用ペーストです。
これを使用することで、
実際に装着した状態に近い色を事前に確認できる
複数の色を比較しながら選択できる
患者さんご本人にも色の確認をしていただける
というメリットがあります。
当院では、審美治療において
**クラレノリタケデンタル社の「パナビア V5 トライインペースト」**を使用しています。
このシステムの特長は、
色調バリエーションが豊富であること
実際のレジンセメントに近い色再現性
微妙な明度・透明感の調整が可能なこと
です。

当院で使用しているトライインペースト。
複数の色調を常備し、症例ごとに使い分けています。
重要なのは、
**「どのメーカーを使っているか」ではなく、
「色をコントロールする前提で治療を行っているかどうか」**です。
理由は明確です。
一度接着したセラミックは、簡単にやり直しができないからです。
レジンセメントで接着した補綴物を無理に外すと、
セラミックの破折
歯を削らなければならない可能性
患者さんの身体的・経済的負担
につながることがあります。
そのため当院では、
セラミックを仮置き
トライインペーストで色を確認
正面・斜め・側方からチェック
周囲の歯との調和を評価
納得した上で最終セット
という工程を必ず行います。
審美歯科治療で大切なのは、
単に白い歯を作ることではありません。
周囲の天然歯とのバランス
光の当たり方
口元全体の印象
これらが自然に調和しているかどうかが重要です。
そのため当院では、
**レジンセメントの色を「明るくする・暗くする」だけでなく、
「どこまで下地をマスキングするか」**という視点で選択しています。
完成した歯だけを見ると、
その裏側の工程はなかなか伝わりません。
しかし実際には、
セメント色の選択
トライインによる確認
細かな判断と調整
こうした見えない工程の積み重ねが、仕上がりの差を生みます。
当院では、
「できるかどうか」ではなく、
**「当たり前として、どこまで丁寧に行うか」**を大切にしています。
審美歯科治療は、
セラミックを入れただけで完成するものではありません。
レジンセメントの色選択
トライインペーストによる事前確認
患者さんとのイメージ共有
これらを丁寧に行うことで、
自然で美しい仕上がりが実現します。
「細部までこだわった審美治療を受けたい」
そうお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修
麻布十番・赤羽橋 曽根田歯科診療室 曽根田 皓士