赤羽橋駅4分 麻布十番駅6分 曽根田歯科診療室
BLOG
「インプラントを考えているけれど、骨が薄いので骨造成(こつぞうせい)が必要かもしれませんね」
歯科医院でそう言われ、不安や疑問を抱えていませんか?
実は、抜歯後に骨が減ってしまうのは自然な現象です。
しかし、抜歯と同時に“ある処置”を行うことで、将来のインプラント治療をより簡単に・快適に・確実にできる可能性があることをご存知でしょうか?
この記事では、**抜歯と同時に行える骨の吸収を抑える方法「リッジプリザベーション」**について、
症例や科学的データも交えながらわかりやすく解説します。
インプラントは、歯を支える顎の骨に人工歯根を埋め込む治療です。
しかし、歯を抜いたあとの顎の骨は、その役割を失って自然に吸収(やせて)しまうことがわかっています。
たとえば、Tanらの研究(#1)によると、何もしない場合、
水平方向(幅)に約 4mm
垂直方向(高さ)に約 2mm
もの骨が減少する可能性があるとされています。
#1 Wah Lay Tan, Terry L T Wong, May C M Wong, Niklaus P Lang.A systematic review of post-extractional alveolar hard and soft tissue dimensional changes in humans.Clin Oral Implants Res. 2012;23 Suppl 5:1–21.
このように骨が減ると、インプラントを固定するには骨が足りず、
骨を増やす「骨造成手術」(GBRやサイナスリフトなど)が必要になります。
骨造成は有効な手術ですが…
治療が複雑になる
費用が高くなる
腫れや痛みが強くなる場合がある
治療期間が長くなる
などの負担が伴うため、できることなら避けたいという方も多いはずです。
そんな骨の吸収を抑えるための方法が、「リッジプリザベーション(歯槽堤保存術)」です。
これは、抜歯の際に、骨が減らないようにする処置で、
将来的なインプラント治療の成功率や快適さを高めることが期待されています。
抜歯した部分(抜歯窩)に、人工骨などの材料を詰め、コラーゲン膜などで覆って固定。
これにより、骨の再生を促しつつ、吸収を最小限に抑えるというものです。
はい、実際に**Avila-Ortizらによるシステマティックレビュー(#2)**では、
リッジプリザベーションによって、幅・高さの両方の骨吸収をおおよそ半分程度に抑制できると報告されています。
つまり、何もしなければ 4mm 減るはずの骨の幅が約 2mm で済む、
高さの減少も約 1mm 程度に抑えられる可能性がある、という非常に有用な処置です。
#2 G. Avila-Ortiz, S. Elangovan, K.W.O. Kramer, D. Blanchette, D.V. Dawson.Effect of alveolar ridge preservation after tooth extraction: a systematic review and meta-analysis.J Dent Res. 2014;93(10):950–8. PMID: 24966231
当院で実際に行ったリッジプリザベーションのケースをご紹介します(2025年3月学術講演会にて発表)。
患者様は上顎奥歯の抜歯が必要で、CT検査では既存の骨が非常に薄く、
インプラントを行うにはサイナスリフトが必要になる可能性が高いと判断されました。
しかし、抜歯と同時にリッジプリザベーションを行ったところ、
4ヶ月後には十分な骨の幅と高さが確保され、骨造成を行わずにインプラントが成功しました。
抜歯を予定していて、将来インプラントを検討している方
「骨が薄い」「骨が足りないかも」と言われた方
骨造成を避けたい、腫れや痛みが心配な方
入れ歯やブリッジでも自然な見た目・噛み心地を大事にしたい方
「歯を抜いたらインプラントを入れる予定だから、あとで考えればいいや…」
――その考えが、治療の難易度や費用を上げてしまうかもしれません。
抜歯後の骨吸収は避けられない自然な現象。
けれども、「骨があるうちに守る」という考え方を持てば、将来の選択肢を広げることができるのです。
当院では、抜歯が必要と診断された時点から、患者様の将来の治療計画までを見据えてご提案しています。
ご不安なことがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
都営大江戸線「赤羽橋駅」徒歩4分
東京メトロ南北線・大江戸線「麻布十番駅」徒歩6分
監修:歯科医師 曽根田皓士
曽根田歯科診療室 院長